「使いにくい」と感じていたダイニングスペース。少々手狭で子供部屋が足りなくなってしまった居室。そんなお住まいへの不満から始まったMy様邸の増築計画ですが、長年温めてきた奥様の理想のインテリアを実現するため、こだわり溢れるプロヴァンス風住宅が出来上がりました。
外装をタイル調のサイディングに張り替えて、新築のようなモダンな外観に生まれ変わりました。
耐震補強を兼ねて壁面を増やし、以前の窓よりも一回り小さいアーチ型の出窓にサッシを交換しています。
明るいオレンジを基調に様々な表情があるヨーロッパ調のS瓦に、ミルクティ色の外壁が相性ぴったりの素敵な外観です。ジョリパットという外壁材を使い、コテ模様を付けて仕上げた塗り壁が素材感のある繊細な仕上がりになっています
既存母屋の2階の明るさを保つため、建物と建物の間にバルコニーを設置し、ジャグジー風の外風呂を設けました。夜は星空の下で入浴、昼間はフェンスの向こうに海が望めて、リゾートのように開放的なバルコニーができあがりました。
階段上や廊下部分の天井は、瓦屋根と一続きの勾配で覆ってしまうとバルコニーの日差しが遮られ、母屋部分の2階が暗くなってしまうので、あえてS瓦の面とは細かく切り離し、個別の鉄板屋根で覆いました。
1/50縮尺で実際の仕上がりを忠実に表現した外観模型を用いて、お打ち合わせを重ねました。細かい部分の取り合いや屋根の形状など、平面図だけでは見えてこない部分が伝わりイメージ伝達がスムーズになりました。
1階の内装は白いシラス(ビオセラ)の塗り壁にパイン材の天然木のフローリング。ステンドグラスなどのアンティークを取り入れて、印象的なナチュラルカントリーの内装に仕上がっています。奥様が厳選して集めたアンティーク家具や雑貨が映えるダイニング・和室・コンサバトリーの3部屋ができあがりました。
こだわったデザインの階段下収納とアイアンのシャンデリアが 印象的なダイニングルームです。天井にアクセントとして取り付けた付け梁は、大工さんが古材風に荒削りな面取りをして、アンティーク風の塗装で仕上げました。
アーチ状の飾り棚のつき収納には、フローリングと同じパイン材を使用し、アイアンの取っ手と蝶番を取り付けてアクセントにしました。
片開きのパントリー収納の扉には、アンティークのステンドグラスをはめ込みました。
既存の建物の南面を増築部が塞ぐかたちで建設されているため、最も配慮したのが既存のLDKまで届く採光を保つことでした。ウッドデッキに面したダイニングの窓には全開口型の大きなサッシを取り付け東からの日差しがたくさん降り注ぐように配慮し、階段に面した窓からの光も遮らないようにあえて階段側面の袖壁を省きました。
部屋ごとを仕切っている大きな引き違いの間仕切は、少しでも明るく暮らせるようにすべて素通しのガラス戸にしました。ダイニングと和室の間、和室とコンサバトリーの間は、それぞれ一続きの空間としても使えるように2枚の扉を壁面に引き込めるようになっています。
東と南の角にあたる3畳ほどの日当たりの良い部屋は、南欧風のテラコッタタイルを敷いてフリースペース的なコンサバトリーになりました。奥様のご趣味で集められたアンティークの机やハシゴが印象的で素敵な空間になっています。
既存の建物には1つも無かった和室。床には正方形の琉球畳を入れて市松模様に配置しています。ずっと待ち望んでいた畳のくつろぎ空間が生まれました。
既存の建物への出入り口には、もともとサッシが付いていた部分に素通しのガラス戸の間仕切を入れ、壁面だった部分にも大きなFIX窓を取り付けて採光をできるだけ取り入れられるようにしました。壁面のFIX窓の部分には構造上撤去できない筋交いが入っていたため、意匠的にそのまま窓に組み込んで残しました。
2階へオープン階段をのぼっていくと、可愛らしいドアが二つ。パイン材の床やドアなどナチュラル感いっぱいの内装と、ロフトスペースに合わせた高い天井で開放的な子供部屋ができあがりました。
階段の木製の手摺は、大工さんの加工で握ったときの滑り止めの刻み模様を入れています。塗り壁や内装の風合いに手摺のイメージを合わせるために、ペンキの仕上げは塗りムラの残る白でシャビーシックに仕上げました。
階段の中ほどにある窓には、サッシの内側にアンティークのステンドグラスをはめ込みました。日差しの加減でステンドグラスの彩りが壁に反射して、美しい光の演出になっています。
無機質な雰囲気でインテリアのイメージを損なわないように、スイッチプレートやコンセントにもアメリカ製のおしゃれなデザインを採用しました。
子供部屋の入り口のドアも、床と同じパイン材で作りました。腰高のガラス窓には「チェッカーガラス」を使用し、洗練された仕上がりになっています。取っ手は白い陶器製のノブを取り付けて、ポイントに「24」のアイアン飾りを取り付けました。
子供部屋は将来的に二部屋に分けられるように左右対象に設置しました。床は1Fと同じパイン材のフローリング仕上げで、壁はビニールクロス貼になっています。それぞれの部屋スペースにロフトがあり、ロフト高に合わせてギリギリまで天井を高く取っているので、屋根裏の梁は見せる仕様です。
ロフトはお部屋のインテリアに馴染むように、フロアと同じパイン材の床や木製の手摺・ハシゴで統一しました。お部屋にクローゼットや物入れが無いため、収納としても大活躍しそうです。
ロフト下のスペースが暗くなってしまうので、ガラスブロックの窓を追加で取り付けしました。一般的には施工が大変なガラスブロックですが、トステムのシンプルアートシリーズを用いているので、大工工事のみで施工できました。
左右の部屋の間は、下がり壁があるのみで現状はオープンになっています。この部分に間仕切りを設置すれば、将来的に独立した二部屋として使用することが可能です。
くらしの変化に合わせた全面リフォーム・夫婦ふたりの生活スタイルを快適にした全面リフォーム・古民家の再生のためのリフォームなどスタイルは様々。施工事例とともにご紹介いたします。
「家族でくつろげる明るいリビングがほしい」「収納が少なく、年数の経ったキッチンをなんとかしたい!」「和室を洋室へ」等々ご要望にお応えするキッチン・リビングの部分リフォーム